オムレツは、フランス語「omelette」、英語「omelet」からの外来語で、「薄い金属板」を意味するラテン語の「lamina」に由来し、「ラミネート(laminate)」と同源である。
「lamina」が14世紀にフランス語に入って、「剣」や「刀の刃」を意味する「lemelle」になった。
これに冠詞を付けて「la lemelle」となったが、「l‘alemelle」と混同されて、冠詞を外した時に「alemelle」の語となり、さらに「alumette」に転じた。
オムレツという料理に由来する言葉となるのは、この「alumette」からで、刀の刃に形が似ていることから、固まるまで放置しておく卵焼きの呼称として使われるようになった。
「alumette」がさらに「amelette」となり、フランス語で「卵(鶏卵)」を表す「œuf」に引かれて「œufmolette」、そして現代フランス語の「omelette」となり、英語では略されて「omelet」になった。
当初この言葉が表していたのは、現代のようなオムレツではなく、卵のパンケーキ(ホットケーキ)のことであったといわれる。
オムレツの語源には、卵料理を素早く作る男性を見た王様が、「quer homme leste(なんて素早い男だ)」と言ったことから、転じて「omelette」になったもので、「素早い男」の意味に由来するという説もある。
しかし、ラテン語で「薄い金属板」に由来する説は、言葉が変化していく過程が文献で明らかなのに対し、「素早い男」に由来する説は、時代も王様の名前も不明である。
おそらく、オムレツはフランスの料理で「オム」と略されるところから、フランス語で男性を表す「homme」を関連付け、考えられた俗説であろう。
日本では明治時代に「オムレツ」と「オムレット」の両方の形が見られたが、料理名としては「オムレツ」が残った。
「オムレット」はオムレツの形状をした菓子で、スポンジケーキ生地にクリームや果物を挟んだものを指すようになっている。
オムレツから派生した日本独特の料理には、「オムライス」や「オムそば(オム焼きそば)」がある。