一生懸命の本来の形は、「一所懸命」である。
一所懸命は、中世の武士が先祖伝来の所領(一所)を命懸けで守ったことに由来し、切羽詰った状態にも使われた。
近世以降、「一所懸命」は「命を懸けて何かをする」の意味だけが残ったため、「一所」が「一生」と間違われて「一生懸命」となり、発音も「いっしょけんめい」から「いっしょうけんめい」に変わった。
「いっしょうけんめい」を「一生懸命」と書くことは、誤用とされることがある。
しかし、「いっしょう」と発音されるのは、「一所」が「一生」と間違われた後のことである。
「いっしょけんめい」であれば「一所懸命」と書くが、「いっしょうけんめい」の漢字は「一生懸命」で正しい。