ペンギンも昔は空を飛んでいた
ペンギンは鳥なのに飛ぶことができず、翼は海中を泳ぐために使われています。
全18種類いるペンギンのうち、飛べるペンギンは1種類もいません。
しかし、ペンギンの祖先は空を自由に飛んでいたと考えられています。
それは、ペンギンの尻尾に「尾椎骨」という骨があり、尾椎骨は空を飛ぶ鳥に共通してある長い尾の痕跡だからです。
昔は空を飛んでいたペンギンが、なぜ飛べなくなったのか。
その理由は、2つあります。
ペンギンが空を飛べない理由 その1
ペンギンが生息する南半球は、北半球に比べて海が多く、陸地が少ない環境です。
そのような環境のため、一部のアザラシを除き、ペンギンを襲う肉食獣がいません。
飛ぶという行為は、重力に逆らうため相当なエネルギーを必要とします。
襲ってくる敵から逃げる必要もない安全な環境にいたら、飛ぶことはエネルギーの無駄使いにしかならないのです。
つまり、ペンギンは飛べなくなったのではなく、飛ぶ必要がなくなったから飛ばなくなったのです。
ペンギンが空を飛べない理由 その2
ペンギンの餌は、オキアミやヨコエビなどの甲殻類、ニシンやイワシなどの魚、イカやタコなど、全て海中の生物です。
これは、飛んで餌を探すよりも、海の方が餌が豊富で効率的なためと考えられます。
飛ぶよりも潜って泳ぐことに専念した方が、多くの餌にありつけることから、ペンギンは飛ぶことを一切やめ、翼を泳ぐためのヒレに変えたのです。