夢と希望は、実現を望み願う事柄や、将来に対する期待の意味で使われる。
しかし、夢には睡眠中に見る幻覚体験や、現実離れした空想、心の迷いなどの意味もあるため、希望に比べて実現する可能性が低く、非現実的なことについて使われる。
たとえば、「プロ野球選手になる夢が叶った」とは言うが、「プロ野球選手になる希望が叶った」とは言わない。
プロ野球選手になれるのは、ごく一部の人だけであり、実現する可能性が極めて低いから「希望」ではなく「夢」なのである。
既にプロ野球選手になれることは確定しており、入りたいと思っているところへ入団することをいう場合は、さほど現実離れしたことではないため、「希望の球団に入ることができた」となる。
しかし、幼い頃から憧れていた球団に入れたことを表す場合は、プロ野球選手として通用するか不明な段階から望んでいたことなので、「希望」ではなく「夢」を使う。
望む事柄にもよるが、現実的・非現実的というのは、上記のように期間・時間の長短によっても変わるため、遠い将来のことを語る場合には「夢」、近い将来のことを語る場合には「希望」を使うともいえる。
また、希望は「ご希望に添えず申し訳ございません」という形でも使われるが、「夢」は使われない。
仮に、相手の望みが非現実的なものであったとしても、「夢」ではなく「希望」を使う。
これは、謝罪の言葉なので「本来であれば実現させるべきところ」という意味が込められているためである。