ひよこ豆の名前の由来はひよこに似ているからではない!

クセのない味でほくほくとした食感のひよこ豆。豆粒には鳥のくちばしにのような突起物があり、ひよこの顔(頭)のような形をしている豆です。
そのため、ひよこ豆の語源は「ひよこの顔に似ていることに由来する」とよく言われますが、これは間違い。
それではなぜ、ひよこ豆と呼ばれるようになったか、由来を探っていきましょう。

ひよこ豆の和名の由来

ひよこ豆という名前は、英名の「Chickpea(チックピー)」を直訳したものです。「chick」は「ひよこ」、「pea」はえんどう豆やえんどう豆に似た丸い豆を意味します。
「chick(ひよこ)」と「pea(豆)」。
さらに、くちばしに似た突起物もあるため、「ひよこみたいな形の豆」という意味の命名といわれるようになりましたが、これは後からこじつけられた由来です。
英名の「chick」の由来を辿ると、「ひよこ」とは関係ありませんでした。

ひよこ豆の英名の由来

英名の「Chickpea」は、フランス語の「pois chiche」に由来します。
「pois」は英語の「pea」と同義で、「chiche」が英語の「chick」の部分になります。
フランス語の「chiche」は、ラテン語で「ひよこ豆」を表す「cicer」に由来し、さらに遡ると古代アルメニア語の「siseṙn」にたどり着きます。この「siseṙn」も「ひよこ豆」を表す言葉です。
つまり、「chick」の語源である「cicer」は、”ひよこ豆という豆”そのものを示す言葉で、ひよことは無関係なのです。

ひよこ豆の学名は別の動物から

ひよこ豆の学名は「Cicer arietinum」といいます。属名部分の「cicer」は先ほど書いた通り「ひよこ豆」のことです。
そして、種名部分の「arietinum」。これは「羊のような」という意味で、豆の形をひつじの頭(顔)に見立ててつけられた名前なのです。
ひつじと言われれば、ひつじに似ているかもしれません。

その他、世界では「タカの顔をした豆」や「小さい鼻」など、ひよこ豆は様々な形容をされています。
ちなみに、中国語は日本と似ていて「鶏児豆」と呼ばれているそうです。

ひよこ豆の別名

ひよこ豆は栗のようなほくほくとした食感があることから、日本では「栗豆」と呼ぶこともあります。
その他、英名から「チックピー」と呼んだり、スペイン語の「garbanzo」から「ガルバンゾ」や「ガルバンゾー(英語読み)」、「エジプト豆」「チャナ豆」などといった別名もあります。
「チャナ豆」の「チャナ(chana)」はインドでのひよこ豆の呼称で、インドでは他に「グラム(gram)」「ベンガルグラム(bengal gram)」などとも呼びます。

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