啖呵を切るの「啖呵」は、もともと「痰火」と書き、体内の火気によって生ずると考えられていた咳と一緒に激しく出る痰や、そのような病気のことをいう。
「切る」は、その啖呵(痰火)を治療・治すこと。
この啖呵(痰火)が治ると、胸がすっきりするところから、香具師などの隠語で、品物を売るときに歯切れのよい口調でまくしたてることを「啖呵を切る」と言い、相手をやりこめる意味にもなった。
一説には、仏教語の「弾呵」に由来するともいわれる。
弾呵は、自分の悟りを第一とする考えにとどまっていることを叱るという意味で、その「叱る」から「相手を責める」「まくし立てる」の意味に転じたというものである。
しかし、弾呵が「責める」の意味になったとすれば、「切る」は必要ない言葉となるため、何を表しているか不明である。