形見は文字通り、「形を見る」という意味から生じた語。
残された品を見ることでその人の思い出し、形(その人)が見えてくるようなものなので、「形見」と呼ばれるようになった。
「形見」の漢字は当て字で、本来は「片見」と書き、真の友は一つの品物を半分に分けて所持する習慣があったことから、「かたみ」と呼ぶようになったとする説もある。
しかし、「かたみ」は古くから「形見」と表記され、現在と同様の意味で用いられており、「片見」の漢字表記や「半分に分けて所持する」といった意味で「かたみ」が用いられた例は見られない。
おそらく、「形見分け」の風習から連想して作られた俗説であろう。