切手は「切符手形」を略した語で、元は「切符」や「手形」と同じく、金銭の支払い証明や身分証明等の紙片を指す語として用いられた。
室町時代以前は、主に現金や現物の代用となる為替や、年貢などの預かり証を意味した。
江戸時代には、「通行手形」「劇場の入場券」の意味として用いられ、吉原の大門から出る遊女の通行証も意味した。
その他、切手は「借用証文」「金銭前払い証券」「営業許可証」などの意味でも用いられ、明治初期には鉄道の「乗車券」をいうこともあった。
世界最初の郵便切手は、イギリスのローランド・ヒルが発明し、1840年に発行されたものである。
日本はイギリスの郵便制度にならい、1871年に郵便料金の前払い証明「郵便切手」を発行し、以降、単に「切手」という場合は「郵便切手」を指すようになった。