うちわの語源は、「打ち(うち)+羽(は)」の「打ち羽」。
「打つ」は叩くような動作をすることからと考えられ、「羽」は文字通り「羽」である。
「打つ」というのは、蚊やハエなどの虫を追い払うために打っていたことからとも言われるが、実際にそのような目的で用いられ、その用途が一般的であったか、またその目的から「打つ」に繋がったか定かではない。
漢字の「団扇」は中国語で、「うちは(打ち羽)」に対応する字として当てられた。
平安中期の辞書『和名抄』には「団扇」を「うちは」、貴人の顔を隠す扇の「翳」を「は」、「扇」を「あふぎ」とする記述があり、この頃から円形のものを「うちは」と呼び始めた。
中世には「打輪」の表記も見られるほか、「団」の一字でも「うちわ」を意味した。