「団扇(うちわ)」と「扇子(せんす)」の違い

団扇(うちわ)も扇子(せんす)も、手に持ち、あおいで風を起こす道具で、扇(おうぎ)の一種。
単に、「扇」と言った場合は「扇子」を指すことが多いが、歴史的には扇子よりも団扇の方が古く、中国で発明され日本に入ってきた団扇を、携帯に便利なよう折り畳み式にしたものが扇子である。

扇子を「扇の子」と書くのも「小型の扇」という意味であるため、折り畳み式が「扇子」で、折り畳めないものが「団扇」といえそうだが、団扇の中にも折り畳み式のものがある。
団扇の「団」は「丸」を意味するように、団扇は丸い形状をしたものが多いが、必ず丸い形をしているとは限らず、四角い団扇やキャラクターの団扇などもある。

見た目の一番の違いは、扇ぐ時に手に持つ部分。
扇子は「要」と呼ばれる骨を束ねて固定しておく部分を持つが、団扇は骨の集まった部分の下にある柄を持つ。
スライドさせて折り畳める、扇子のような団扇にも、持ち手となる柄がある。
柄のない団扇もあるが、扇ぐ面の一部に持つための穴があるなど、団扇は扇子のように手に持つ部分と骨の固定部分が一緒になっていない。

形状以外の違いとしては、用途に違いがある。
団扇は、ノベルティグッズとしても作られるが、風を起こすための道具であることに変わりはない。
扇子は、儀式や祭事、舞踏など、風を起こす以外の目的にも使われるものである。

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