梨園が歌舞伎の世界を意味するようになったのは、唐の玄宗皇帝の故事に由来する。
玄宗皇帝は音楽や舞踏の愛好家で、自ら舞楽を教えていた。
その場所に梨が多く植えられていたことから、音楽や舞踏を学ぶ者を「梨園の弟子」といった。
それが転じ、演劇や音楽など芸能の世界を表す語として、「梨園」が使われるようになった。
日本では歌舞伎の成立とともに「梨園」の語が使われたため、演劇の中でも特に歌舞伎の世界を指すことが多くなった。
また、歌舞伎役者の妻は一般的な役者の妻とは異なり、ご贔屓筋への挨拶や、お金やスケジュールの管理など、他にも多くの仕事をして夫を支える。
そのため、歌舞伎役者の妻は「梨園の妻」と呼ばれ、芸能界の中でも特殊な世界(歌舞伎界)の妻であることが表されている。