漢字の「面倒」は当て字。
面倒の語源には、「目だうな(どうな)」の音変化。
「褒める」「感心する」などの意味を表す動詞「めでる」からとする説。
地方の幼児が人から物をもらった時に、ひたいに両手でさし上げて言う、「めったい」「めってい」「めんたい」など、感謝の言葉からとする説がある。
この中で有力とされているのは、「目だうな」の説である。
「だうな(どうな)」は、無駄になること、無益に浪費することを意味し、多くは名詞の後に付いて用いられる。
「めだうな」の使用例は見られないが、見るだけ無駄の意味と考えると、面倒の意味に繋がる。
「めだうな」から「めどうな」になり、「な」が断定の助動詞の連体形のように認識され、「めどう」「めんどう」に変化したと考えられる。
「目だうな」以外の説は、感謝を表す言葉に由来する点で共通している。
感謝の言葉が現在の面倒の意味に変化したのは、感謝を述べる時の「恥ずかしい」「決まりが悪い」「見苦しい」といった複雑な感情だけが強調されたものとされる。
面倒が「世話」を意味するようになったのは、人の世話をすることは厄介なことが多いことからである。