煎茶の特徴、栄養・効能、淹れ方、選び方、保存方法、旬の時期、種類、品種など、知っておきたい煎茶の基礎知識。
煎茶の特徴
煎茶とは、緑茶の種類のひとつで4月下旬から5月下旬に摘まれた一番茶、二番茶を原料としたものです。茶葉が新鮮な状態で熱処理し、葉の形状を整え水分含有量を保存可能な状態まで下げたものに加工するもっとも一般的な製造方法のお茶です。
さわやかな香りやほのかな甘みと渋みを併せ持つ緑茶の代表格的存在で、日本人にもっとも身近なお茶と言えます。
煎茶は露天茶と呼ばれる、茶畑に覆いをせず日光をたくさん浴びて栽培されるお茶に属します。日光を浴びることでうまみ成分であるテアニンがカテキンに変化するため、程よい渋みが楽しめるお茶になります。
製造過程で普通の煎茶よりも茶葉を蒸す時間が長い緑茶で、「深蒸し煎茶」もしくは「深蒸し緑茶」と呼ばれるお茶もあります。茶葉の中までしっかり熱が伝わり形状は粉っぽくなりますが、茶葉そのものが抽出液に多く含まれるので不溶性の栄養も摂りやすい特徴があります。
煎茶の栄養・効能
煎茶の注目すべき栄養素はカテキンです。強い抗酸化作用をもち、動脈硬化や心筋梗塞を予防します。またコレステロール吸収を抑える効果もあり、体脂肪が気になる場合には緑茶を摂取することがおすすめです。
抗ウィルス・抗菌作用も確認されており、かぜの流行する季節ではお茶によるうがいが感染予防に効果的であると言われています。
緑茶カテキンには抗ガン作用があると言われ、動物実験では効果が確認されています。しかしヒトにおいては賛否どちらの報告もあり、これからの研究に注目が集まります。
カフェインは若芽に多く、覚醒作用や疲労回復、強心作用、利尿作用とさまざまな効果があります。緑茶はビタミンCも含み、皮膚や粘膜の保護、コラーゲンの生成を助ける美容効果も期待できます。
うまみ成分であるテアニンやGABAといった脳細胞を活性化させイライラや不安を鎮める抗ストレス作用があるアミノ酸を含みます。
煎茶の淹れ方
(2人分)
1.茶葉をティースプーン2杯分(40g)入れる。
2.お湯を一度湯呑みに移し、80度まで冷ましてから急須へ注ぐ。(普通煎茶の場合は、ポットのお湯をそのまま急須へ注ぐ)
3.湯呑みにそれぞれ少しずつ注ぎ、均等に淹れる。
カテキンは熱い湯に多く抽出されます。高級な煎茶の場合、苦みを抑え甘みを楽しむにはお湯の温度を少し低めに調節するとよいでしょう。
煎茶の選び方
茶葉が濃い緑色でツヤがあり、細く硬く重厚感があるものが良品です。
煎茶の保存方法
直射日光を避け、冷暗所で保存します。茶筒のような密閉できる容器に入れて酸化を防ぎます。
非常ににおいを吸着しやすいため、冷蔵庫での保管は避けましょう。
鮮度が大切なので、開封後半月~1ヶ月以内に飲み切ります。そのため家庭では少量ずつ購入するのがおすすめです。
煎茶の旬の時期
春から初夏にかけて新茶の季節になります。
煎茶の種類
煎茶は茶摘み後に熱処理をして茶葉の発酵を止めますが、この時間の長さにより種類が分かれています。
浅蒸し煎茶
蒸し時間が10~30秒と短く、茶葉本来の苦み、渋み、香りが楽しめます。
普通蒸し煎茶
蒸し時間が30~60秒で、強い苦みはなくクセのない煎茶です。ほかの食べ物の味の邪魔をしないので、幅広い場面で楽しめます。
深蒸し煎茶
蒸し時間が60~180秒と長めで、渋みが少なくまろやかな味わいです。加熱時間が長く茶葉が砕けて細かくなっているため、すぐに抽出されます。
煎茶の品種
宇治茶、静岡茶、狭山茶、知覧茶、八女茶など。