日本茶(緑茶)の中で、最もよく飲まれているのが煎茶である。
煎茶は、新芽を摘んで蒸して揉み、乾燥して仕上げられる。
玉露は、「高級煎茶」といわれるように煎茶の一種だが、煎茶と栽培方法に違いがあり、収穫前の2週間から20日前後、葦簀(よしず)や藁で茶葉におおいを被せて日光を遮る、被覆栽培の茶葉である。
日光を遮ることで、旨味成分とされるテアニンが多く含まれ、渋味成分のタンニンが抑えられ、独特の香りとなる。
玉露と同じ栽培方法で、摘む前の1週間前後のものは「かぶせ茶」という。
抹茶は、甜茶(てんちゃ)を出荷する前に石臼で挽いたもので、茶の湯(茶道)で飲まれるほか、和菓子や洋菓子など広く用いられる。
甜茶の栽培方法は、玉露やかぶせ茶のように日光を遮る被覆栽培だが、被覆期間は20日以上。
摘んだ後、蒸すところまでは煎茶と同じだが、揉まずに乾燥される。
番茶の製造方法は、煎茶とほぼ同じだが、夏以降に収穫した三番茶・四番茶、煎茶の選別ではじかれた大きな葉など、規格外の茶で、若葉ではなく、成長した茶葉を使うため、煎茶よりも品質が劣る低級品とされる。
北海道や東北・北陸など、地方によっては「ほうじ茶」を「番茶」と呼ぶ地域もある。
番茶は、煎茶に比べてカフェインの含有量が少なく、夜に飲んでも眠れなくなる心配がなく、妊娠中の妊婦や子供も安心して飲める。
ほうじ茶は「焙じ茶」と書くとおり、煎茶・番茶・茎葉などを強火で炒った茶のこと。
一般的には番茶などと同等に扱われるが、ほうじ茶を飲む習慣が根付いている京都では、料亭などの席で上質なほうじ茶が供されることもある。
玄米茶は、蒸して炒った玄米とほぼ同量の茶をブレンドしたもので、茶葉には番茶や下級の煎茶が使われる。
玄米が入っている分、カフェインの含有量が少ない。