ヨガ(ヨーガ)とピラティスは似たものと思われがちだが、ヨガとピラティスでは、成り立ちや技法、使用する道具など、多くの違いがある。
ヨガは元々、古代インドに伝わる宗教的な修行法で、心身を鍛錬し、精神を統一して悟りを開くことを目的としたもので、精神面に重点が置かれる。
一方のピラティスは、第一次世界大戦の時、ドイツ人の従軍看護師ジョセフ・ピラティスが考案したリハビリ用のエクササイズから発展したもので、肉体面(インナーマッスル)に重点が置かれる。
ヨガとピラティスの技法で最も異なる点は、呼吸法。
ヨガはお腹を膨らませたりへこませたりして息をする腹式呼吸で、副交感神経が優位になるため、筋肉をやわらげ、リラックスすることができる。
ピラティスは胸を膨らませたりしぼめたりして息をする胸式呼吸で、交感神経が優位になるため、興奮した状態となり、筋肉の動きを活発にすることができる。
ヨガとピラティスのポーズは似ているものも多いが、ヨガは静止が基本で瞑想があるのに対し、ピラティスに瞑想はなく、ゆっくりとした動きではあるが一連の流れに沿って体を動かす。
ヨガで使用する道具は、ヨガマットとヨガブロックぐらいであるが、ピラティスはマットやブロックに加え、バランスボール(エクササイズボール)、セラバンド(エクササイズバンド)、フォームローラー(ストレッチポール)、フィットネスサークル(レジスタンスサークル)など、使用する道具の種類が多い。
また、ピラティスにはヨガのようにマットの上で行う「マットピラティス」のほかに、ジョセフ・ピラティスが開発したピラティス専用器具を使用する「マシンピラティス」がある。