しぐれ煮の語源・由来

現代では「あさりのしぐれ煮」などハマグリ以外の貝を使ったものや、「牛肉のしぐれ煮」など、生姜入りの佃煮全般を言うようになったが、元は、近世より桑名の名産として有名になった「時雨蛤(しぐれはまぐり)」を言う。
その名は、芭蕉の高弟である江戸中期の俳人 各務支考(かがみしこう)が名付けたと言われる。
しぐれ煮の語源には、いろいろな風味が口の中を通り過ぎることから、一時的に降る時雨にたとえて「しぐれ煮(時雨蛤)」と名付けられたいう説や、時雨の降る時期が最もハマグリがおいしくなる季節だからといった説がある。
江戸時代の料理書には、短時間で仕上げることがしぐれ煮作り方の特徴として記されているため、むき身をたまり醤油に入れて煎る調理法が、降ってすぐに止む時雨に似ていることからとも考えられる。

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