とかくの「と」は、「あのように」「そのように」を意味する副詞。
「かく」も「斯くして」などと使う副詞で、「このように」「こう」を意味する。
この二つの副詞が一語となった「とかく」は、「あれやこれや」の意味で中古から使われ始めた。
中世以降、「(あれこれあるが)いずれにせよ」の意味が生じ、さらに「ややもすれば」「何はさておき」などの用法が生まれた。
とかくの漢字「兎角」は、音からの当て字で、現実に存在しないもののたとえとして使われる「兎角亀毛(亀毛兎角)」の「兎角」だが、意味の上では関係がない。
とかくの意味から当てた漢字には、「左右」がある。