ぎこちないは、近世以降に見られる「無作法だ」という意味の「ぎこつなし(ぎごつなし・ぎごつなし)」が変化した語。
「ぎこつなし」は、中古以降に見られる「無作法」の意味の「こちなし」と、漢語の「気骨」が合わさったといわれる。
「こちなし」は、「骨」の呉音「コチ」に形容詞を作る接尾語「ナシ」が付いた語で、「(ゴツゴツしていて)骨のようだ」という意味から「無作法」の意味になったと思われる。
「こちなし」の語源を踏まえた場合、「ぎこちない」の語源は「こちなし」と「気骨」が合体した語ではなく、「キ(牙)」と「コチ(骨)」に形容詞を作る接尾語「ナシ」で、「牙(歯)や骨のようで柔軟さがない」といった意味からと考えられる。