現代では、素晴らしいは非常に好ましいさまに用いられるが、近世江戸には「ひどい」「とんでもない」といった意味で、望ましくない意味を示す語であった。
すばらしいは、「狭くなる」「縮まる」という意味の動詞「窄る(すばる)」が、形容詞化された語と考えられる。
「すばる」は「すぼる」とも用いられ、形容詞化された「すぼらし」は「細く貧弱である」という意味で、「みすぼらしい」の語源である。
やがて、「すばらしい(すばらし)」は、接頭語「す」と「晴らし」の語構成と誤解され、現在使われている好ましい意味に転じた。