蝶は昼行性で昼に飛び、蛾は夜行性で夜に飛ぶと言われるが、夜に飛ぶ蝶もいれば、昼に飛ぶ蛾もいる。
蛾は茶色を保護色とするものが多いことや、夜行性で派手な模様になる必要がないため、蝶は美しく、蛾は醜いというイメージもあるが、昼行性の蛾の中には、蝶よりも美しいと思えるものも多く存在する。
蝶は胴体が細く、蛾は胴体が太いと言われるが、胴体が太い蝶もいれば、胴体の細い蛾もいる。
蝶は羽をたたんでとまり、蛾は羽を広げてとまると言われるが、蝶の中にも羽を広げてとまるものが多く存在し、蛾の中にも羽を広げずにとまるものもいる。
蝶の触角は先がふくらんだこん棒状で、蛾の触角は糸状・櫛状・羽毛状など様々。
蝶と同じ形の触角を持つ蛾もいる。
上記のとおり、よく言われる違いも「日本に生息する蝶と蛾の一般的な違い」を言ったもので、例外が多く、明確に区別することは難しい。
そもそも、「蝶」と「蛾」は同じ「鱗翅目の昆虫」で、生物分類学上でも区別されていない。
また、日本語や英語では「蝶(butterfly)」と「蛾(moth)」を区別しているが、フランス語やドイツ語など多くの言語では、「蝶」と「蛾」の区別はなく、ひとつの言葉で言い表されている。