郵便マークの歴史
日本の郵便事業が開始されたのは1871年6月7日ですが、当時は「郵便」を表すマークはありませんでした。
日本初の郵便マークは、「丸に一引き」と呼ばれる、日の丸のような赤い丸に太くて赤い横線を入れたもので、1877年頃から使われ始め、正式に郵便徽章と定められたのは1884年6月23日のことです。
現在の「〒」に定められたのは1887年のことですが、2月8日には「T」と告示され、2月14日に「〒」に変更し、2月19日に「Tは〒の誤りだった」と官報が出されました。
「T」から「〒」に変更された経緯
「T」から「〒」に変更された経緯には、2つの説があります。
ひとつは、「T」が第一案、「〒」が第二案として提出され、第二案の「〒」が採用されたにも関わらず、「T」と告示してしまったという単純ミス説。
もうひとつは、「T」を告示した後、国際郵便の扱いで「T」は料金不足の印として世界中で使用されていることに気づき、初代逓信大臣の榎本武揚が、「Tの上に棒を一本加える」とアイデアを出して、「〒」になったという説です。
一般に広まっているのは後者ですが、話として面白いため広まっているだけで、有力な説という訳ではなく、どちらが正解か分かっていません。
「T」と「〒」のデザインの由来
現在の郵便マークが作られた当時、郵便事業を管轄していたのは「逓信省(ていしんしょう)」でした。
「T」のマークの由来には、逓信省をローマ字表記した際の頭文字「T」からとする説や、「甲乙丙丁」の「丁」を図案化したもので、逓信の「てい」の読みに合うからという説があります。
「〒」のマークの由来は、上記の「Tの上に棒を一本加えた」という説のほか、「テイシンショウ」の「テ」を図案化したものという説があります。
いずれにしても、郵便マークの「〒」は「逓信省」に由来しています。