奥ゆかしいの「ゆかしい」は、動詞「ゆく(行く)」の形容詞形「ゆかし(行くし)」で、「行きたい」という意味。
「奥まで(見に・触れに)行きたい」というところから、奥ゆしいは「心がひかれて、その先が見たい・知りたい・聞きたい」「奥の方へ心がいざなわれる」という感情を表すようになった。
そこから、奥ゆしいは「慎み深く上品で心がひかれる」「こまやかな心配りが見えて慕わしい」という意味を表すようになり、現代では、特に女性の控えめで上品な態度の形容として用いられるようになった。
「奥床しい」は音からの当て字で、「床」の文字に語源的な意味はない。