さびしい(さみしい)の語源・由来

さびしいは、上代には「さぶし」という形が一般的で、中古以降「さびし」に転じた。
さびしいの語源となる「さぶし」の「さぶ」は、「心が荒れすさぶ」「勢いが衰える」「古くなる」といった意味の「さぶ(荒ぶ)」を形容詞化した「さぶし(不楽)」からであろう。
「錆(さび)」が語源で、心が満たされない思いを鉄や胴が錆びたさまにたとえたものとする説もあるが、「錆・錆びる(さび・さびる)」も「さぶ(荒ぶ)」から生じた語と考えられる。
さみしい(さみし)の語形は、近世以降見られ、「さびし」が音変化したもの。
「さびしい」から「さみしい」のように、「b」の音から「m」の音変化、またその逆も多く、「けぶり」から「けむり(煙)」、「おつむ(頭)」の「つむり」が「つぶり」からなどがある。
漢字の「寂しい」の「叔」は、細く小さい意味があり、「寂」は「家」+「叔」で、家の中の人声が細く小さくなったさまを表す。
「淋しい」の「林」は、木立が続くところから、絶え間なく続くという意味があり、「淋」は「水」+「林」で、絶え間なく汁がしたたることを表す。
「寂」の漢字には「さびしい」の意味があるが、「淋」の漢字にその意味はない。

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