漢字の「竜」「龍」はともに、頭に冠をかぶり胴をくねらせた大蛇の形を描いたもの。
旧字体は「龍」であるが、使用は「竜」の方が古く、「竜」にいろいろな模様を添えた字が「龍」である。
「りゅう」と読むのは呉音・慣用音で、漢音では「りょう」という。
中国で竜は鳳(ほう)・亀(き)・麟(りん)とともに、四霊として尊ばれた。
平常は海や湖・沼や池などの水中にすみ、時に空に昇って雲を起こし、雷雨をもたらすとされた。
日本でも、深海にある想像上の宮殿を「竜宮(龍宮)」というように、竜は水との関係が深い。
これは、竜がヘビと同一のものとされていたため、日本の代表的な水神であるヘビと結びけられたものである。
「竜に九似あり」というように、竜の姿は、角が鹿、頭がラクダ、目が鬼もしくはうさぎ、首がヘビ、腹は蜃(巨大なハマグリ)、鱗は鯉、爪はタカ、掌は虎、耳は牛に似るといわれる。
竜の起源は、寒冷で絶滅したワニが伝説化したものであると、ワニ学者の青木良輔氏は主張している。