人にへつらって機嫌を取る人を「太鼓持ち」と言うようになったのは、宴席などで席を取り持つ職業の「太鼓持ち」からである。
しかし、太鼓も持たないこの職業が、「太鼓持ち」と呼ばれるようになった由来は定かでなく、語源は以下のとおり諸説ある。
1.太鼓の演奏でうまく調子を取ることと、大尽の調子を取ることを掛けたとする説。
2.踊りやお囃子などで鉦を持たない者は太鼓を持っていることから、「鉦」と「金」を掛け、金持ちに合わせて調子を取るところからとする説。
3.相手をおだてたり褒めたりすることを「持ち上げる」というが、太閤の機嫌を取るためにおだてることを「太閤を持ち上げる」の意味で「太閤持ち」と言い、それが転じて「太鼓持ち」になったとする説。
なお、この職業の正式名称は「幇間(ほうかん)」なので、太鼓持ちの当て字として「幇間」が用いられることもある。