栄養の語源・由来

648年に編纂された『晋書』では、栄養が「孝養(親に孝を尽くすこと)」「衣食住」の意味で用いられていた。
これが「栄養」の初出となるが、現在意味する「栄養」と直接の繋がりはない。
中国の医書『脾胃論』では、身体を滋養する意味で「営養」の表記が用いられるようになった。
これが日本にも伝わり、明治から大正にかけては「営養」が多く用いられたが、1918~20年頃から「栄養」が一般的となった。
「営養」から「栄養」への転換は、栄養学の創始者である佐伯矩が「栄養」に統一するよう提言したことによる。

栄養の語源には、漢民族が生命を繋いでいくために必要なタンパク質を摂るために、羊を食べていたことに由来するというものもある。
これは、栄養の漢字を分解して、「栄」は「繁栄」や「発展」の意味。「養」を「羊を食べる」と解釈したものである。
しかし、上記のとおり、「えいよう」の語が先にあり、のちに日本で「栄養」の字を使うよう決められたもので、羊のタンパク質と栄養の語源は一切関係ない。

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