手当ての「手」は、「手が足りない」という際の「人手」のこと。
「当て」は「充当」の意味で、何か事をなすときに人手を当てることから、手当ては「準備」や「処置」の意味で用いられるようになった。
手当ての語源には、病気やけがをした際、患部に手を当てて治療したことからといった俗説が通説となっている。
しかし、この語に「処置」の意味があるから、病気やけがの治療の意味でも用いられるようになったのであり、手を当てる治療法を語源とするのは間違いである。
報酬やチップなど金品の意味で「手当」が用いられるのも、労働などの対価として処置するという意味からで、この意味では江戸後期から使われている。