しつけは、仏教語で「習慣性」を意味する「じっけ(習気)」が一般に広まる過程で「しつけ」に変化し、「作りつける」意味の動詞「しつける(しつく)」の連用形が名詞化した「しつけ」と混同され成立した語。
裁縫では、縫い目を正しく整えるためにあらかじめ荒く縫うことを「しつけ(仕付け)」という。
また、田畑に作物を植えることを「しつけ(仕付け)」ということからなどともいわれるが、混同された要因の一部にすぎない。
その他、しつけの語源には、「押し付ける」や「し続ける」の変化という説もあるが、これらは論外である。
漢字の「躾」は、しつけの対象を礼儀作法に限定する武家礼式の用語として生まれた国字である。
この字が生まれた頃から、「仕付け」が別語と意識されるようになった。
「躾」には、身(体)を美しく飾る意味があり、「身」に「花」という漢字も作られた。