古く、まなじりは「マナシリ」と清音で、「眥」や「眼尾」などと表記された。
「ま」は「目」が複合語の中で用いられる時の形。
「な」は「まなこ」の「な」と同じく、「の」の意味の古い格助詞。
「じり(しり)」は物の最後や末端部分を表す「しり(後・尻)」で、まなじりは「目の後(しり)」の意味である。
「まなじり」から変化した「まじり」が平安時代から用いられ、のちに「めじり(目尻)」となった。
現代では「目尻」が一般的に用いられ、「まなじり」は目を大きく見開くことや、怒ったり決意したりするさまをいう「眦を決する」や「眦を裂く」の句の中で用いられる程度である。