ナナカマドは、7度かまどに入れても燃え残ることからとする説が定説となっている。
しかし、燃え残るというのは、この木をかまどに入れる目的が火をおこすところにあるため、木炭の原木として使用される視点で考えた方が良い。
ナナカマドは燃えにくい木で、7日間、かまどに入れることで極上の炭を得ることができるため「七日竈」と呼ぶようになり、「ナナカマド(七竈)」になったと考えられる。
「七日」は「なぬか」「なのか」なので、「ナヌカマド」や「ナノカマド」でない点で疑問はあるが、「七」という数だけを重視したとすれば「ナナカマド」でも通じるであろう。
ナナカマドの木は食器にも利用され、堅くて腐朽しにくい木なので、かまどを7回換えるくらいの期間、使用できることからとする説もあるが、かまどと食器を比較することは、かまどと炭の関係ほど密接ではなく考え難い。