美しいは、上代では妻子など自分より弱い者に対して抱くいつくしみの感情を表した。
『万葉集』には、「父母を見れば尊し妻子見れば米具斯宇都久志(めぐしうつくし)」とある。
平安初期以降、うつくしいは小さいものや幼いものに対する「かわいい」「いとしい」といった感情を表すようになり、平安末期頃から「きれいだ」を意味するようになった。
漢字の「美(美しい)」は、「羊」+「大」で、形の良い大きなヒツジを表している。
これは、中国古代の王朝「周」の人々が、ヒツジを最も大切な家畜としていたことに由来すると考えられている。