「タメ口」の起源と変遷 – 博打用語から一般的なコミュニケーションへの展開

「タメ口」の「タメ」は、もともと博打用語で「ぞろ目(同目)」を指していた言葉です。1960年代からは、不良少年の隠語として「五分五分」を表す意味で使われ、同等性や同じであることを意味するようになりました。さらに、「同年」や「同級生」を指す言葉も生まれ、同じ年齢の相手に対するくだけた話し方を指すようになり、「タメ口」と呼ばれるようになりました。これらの表現は、1970年代後半から1980年代にかけて若者の間で広く使われるようになり、現在では若者以外でも一般的に用いられています。

一方で、雑学の世界では、「お駄賃」を語源とする説も存在します。江戸時代の大坂で、丁稚に渡すお駄賃を「タメ」と呼んでいたとされています。これから、番頭が目下である丁稚に対して言う乱暴な言葉づかいを指すようになり、「タメ口」という表現が生まれたとされています。ただし、この俗説は雑学の世界においてのみ通用しており、現在の「タメ口」の用法や「タメ年」などの語が考慮されていないため、信憑性に欠ける説明となっています。

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