柚子は、中国語の「柚(ユウ)」から平安時代には「ユ」と呼ばれ、「ユズ」と呼ぶようになったのは江戸時代以降。
「ユズ」も中国語の「柚子(ユウヅィ・ユウツ)」に由来する。
「柚子」は「柚(ユ)の実(ズ)」という意味で、植物そのものが「ユ」、その果実を「ユズ」というのが本来の形である。
現在では「ユズ」の呼称で統一されているため、「柚」の一字で「ユズ」と読ませることもある。
この植物から酢を採ることは古くから行われており、1603年の『日葡辞書』にも「ユノス(「柚の酢」の意味)」という語があるため、ユズの「ズ」を「酢」の意味と解釈するものもあるが、韓国でも「柚子(ユジャ)」と言うことから「酢」と関連付けるのは難しい。
「柚の酢」は「ユズ」の呼称が定着した要因のひとつとに過ぎず、語源は「柚の実」の意味の「ユウヅィ(ユウツ)」と考えるのが妥当である。