酒池肉林は、『史記(殷本紀)』の「以酒為池、懸肉為林(酒を以て池となし、肉を懸けて林となす)」からできた四字熟語。
この故事は、殷の紂王(ちゆうおう)という暴君が催した宴のことで、大量の酒で池を作り、肉の塊を吊るして林にした豪奢な遊び形容したものである。
美女に囲まれた酒席を「酒池肉林」と言うことも多いが、この四字熟語には酒と肴(肉)が贅沢に並んだ宴の意味しかないため誤用である。
このような意味が「酒池肉林」に含まれるようになったのは、「肉を懸けて林となす」の後に「男女を裸にして、その間(池や林のこと)を追いかけっこさせたりしながら、幾日も酒宴をした」という意味の話が続くことからの連想とも思えるが、後続部分を知っているならば「酒池肉林」が指す部分や意味が理解できるはずなので、単に「肉」という字の印象によるものと思われる。