寿は「ことほき(ことほぎ)」が変化した語で、「こと」は「言」、「ほき(ほぎ)」は動詞「祝く(ほく)」の連用形。
平安時代以降、「ことほく」から「寿ぐ・言祝ぐ(ことほぐ)」や「寿く(ことぶく)」とも言うようになり、「ことぶく」の連用形が名詞化して「ことぶき」になった。
「ほく」は「祝福する」意味の動詞であるが、「祈って幸福を招く」といった意味が強く、「ことほき」も言葉によって幸福を招き入れる、言葉によって現実をあやつるといった、日本古代の言霊思想が反映された言葉であった。
その後、「ことほき(ことぶき)」は「言葉で祝うこと」、「祝い事」「祝いの品」、さらに「長寿」と意味が広がり、祝言に限らず広い意味で「ことぶき」は「祝い」を表す言葉となった。