てこずるは、安永頃(1772年~1781年)から始まった流行語で、語源は以下のとおり諸説ある。
テコ(梃子)で重い物を動かそうとしても、テコがずれてしまうことから「てこずれ」の意味。
手助けをする者のことを「手子(てこ)」と言い、手伝いの手をわずらわせることから、「てこずる」になったとする説。
手の甲を摩るの意味から、「てこずる」になったとする説。
「梃子(てこ)でも動かない」や「テコ入れ」などの言葉があることから、物を動かすための「テコ」の説が妥当と思える。
ただし、「手子」は土工や石工などの下回りの仕事をする者の意味から、手助けをする者の意味に転じた語で、「梃子」や「梃」とも書く。
漢字には「梃子摺る」「梃摺る」「手子摺る」があるため、全ての漢字が当て字でないとすれば、手伝いの手をわずらわせる意味からとする説が有力と考えられる。
その他の漢字には、一般的に使われない「手古摺る」もあるが、「手古」は「てんてこまい」の「てこ」を当てただけである。