干支の十干は、古代中国で順序を示す、「甲(こう)」「乙(おつ)」「丙(へい)」「丁(てい)」「戊(ぼ)」「己(き)」「庚(こう)」「辛(しん)」「壬(じん)」「癸(き)」の十文字。
十干に、木・火・土・金・水という五行(古代中国で万物の源とされた五元)の思想が加わり、陽の気「え(兄)」と陰の気「と(弟)」を一組として、順に「木の兄(きのえ)」で「甲(きのえ)」、「木の弟(きのと)」で「乙(きのと)」などと配された。
この時の「陽」と「陰」の「え(兄)」と「と(弟)」から、十干を「えと」と呼ぶようになった。
この十干に、中国の暦法で天を十二に分け十二の動物に当てた「十二支」が組み合わせられ、「十干十二支」として用いられるようになったため、「十干十二支」を表す「干支(かんし)」が「えと」と呼ばれるようになった。
上記のように、「干支」と「えと」は直接関係する言葉ではなく、「十二支」と「えと」に至っては全く関係ないものであったが、今日では十干を用いることが少なくなったため、主に、十二支や年を表す十二支の動物名を「干支(えと)」と称するようになった。
また、ネズミが牛の背中に乗って一番に入ったから一番目になったとか、猫はネズミに騙されたから干支に入っていないというのは後世に作られた話で、干支に動物が割り当てられた由来ではない。