貫禄の「貫」は、中世以降に田地に用いた単位で、収穫高を銭に換算し、表にしたもの。
室町時代には、武家の知行する石高、いわゆる「知行高(ちぎょうだか)」を表示するのに用いられた。
「禄」は、官に仕える者に与えられる給与のことである。
つまり、貫禄は領地の大きさや給与の額など武士の値打ちを表す語で、それらの多い者が「貫禄のある人」であった。
そこから、身に備わった威厳や人間的重みや風格がある人に対して、「貫禄がある」や「貫禄がつく」と使うようになった。
また、体が肥えた人は堂々とした印象を与えることから、太っていることを馬鹿にしたり、からかって、「貫禄十分」や「貫禄たっぷり」などとも言うようになった。