とことんは、日本舞踏で「トコトントコトン」という足拍子の音を意味し、転じて踊りの意味となった語で、近世には民謡などの囃子詞として用いられた。
舞踏での「とことん」は、「床(とこ)」と「トン」という擬音が語源といわれるが、「とことん」でも擬音と考えられる。
現代の「徹底的に」「最後まで」といった意味に転じたのは、明治初年(1868年)の『とことんやれ節』に由来する。
『とことんやれ節』は、官軍東征の時に参謀の品川弥二郎が歌詞を作り、大村益次郎か祇園の芸妓君尾が節をつけた軍歌で、「とことんやれとんやれな」という囃子詞が添えられていた。
この歌は明治時代に大流行したため、「とことん」の語も一般に広まり、軍歌であったことも関係して「徹底的に」や「最後まで」の意味に転じた。