矛盾の出典は中国の『韓非子』で、以下の故事に基づく。
その故事とは、楚の国に矛と盾を売り歩く商人がおり、矛を売る時には「この矛はとても鋭いので、どんな堅い盾でも突き通す」と言い、盾を売る時には「この盾はとても堅いので、どんな鋭い矛でも突き通せない」と言っていた。
それを聞いた客の一人に、「それでは、その矛でその盾を突いたら、どうなるんだ?」と聞かれ、返答に困ってしまったというものである。
この矛と盾の話から、前に言ったことと後に言ったことの辻褄が合わないことを「矛盾」と言うようになった。
ただし、古く日本ではこのような解釈をしていなかったようで、1603年の『日葡辞書』では「矛盾に及ぶ」の意味を「武器を取って戦う」「激しく敵対する」としている。
矛盾の類語には「撞着」があり、この二語を合わせた四字熟語の「矛盾撞着」は矛盾を強めた表現となっている。