たらふくの語源は、「足りる」や「足る」など、「十分になる」意味の動詞「足らふ(たらふ)」に、副詞語尾の「く」が付いたものとされる。
飲食物を腹いっぱいに摂取する意味の「足らひ脹るる(たらひふくるる)」が転じたとする説もあるが、江戸中期には、たらふくが「飽き足りるほど」の意味で用いられ、飲食物に限定されていない例がある。
漢字で「鱈腹」と書くことから、魚のタラの腹部が膨れていることや、タラが大変な大食漢であることに由来すると言われることが多いが、「鱈腹」は当て字である。
当て字に「鱈腹」が使われた由来としては、「タラの腹」が関係している可能性はあるが、たらふくの語源を「タラの腹」とするのは間違いである。
また、「鱈」の漢字は「でたらめ」や「やたら」にも当て字として使われ、それらの当て字には意味がないため、「鱈腹」も魚のタラと全く関係なく、音から当て字された可能性もある。