「怒る」と「叱る」の違い

怒るは「起こる」と同源で、「感情が高まる」の意味から腹を立てること。
叱るは目下の者の言動に対し、欠点を強くとがめ戒めること。
よく「子供を怒るのではなく、子供を叱るように」と言われるのは、怒るは自身の感情を抑えられず表に出すことで、叱るは子供のことを思い指導することを言うためである。

国語辞典には「怒る」に「叱る」の意味があるが、不満を表す態度と強くとがめている姿は似ているため、「叱る」の意味が含まれるようになったもの。
一方、「叱る」は教育的な指導を表す言葉であるため、「叱る」に「怒る(腹を立てる)」の意味はない。

対象が異なる点も、怒ると叱るの違いである。
怒るは感情の赴くまま不満を爆発させることなので、目上の人に対しても使われ、世間の風潮など抽象的なことに対しても使われる。
叱るには「良い方向へ導こう」という指導の意味があり、指導する人とされる人という関係がなくては成り立たない言葉であるため、「子供を叱る」「部下を叱る」のように、必ず目下の者に対して使われる。

出典:「怒る」と「叱る」 – 違いがわかる事典

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