関東で作られる雛人形を「関東雛」、京都で作られる雛人形を「京雛」という。
関東雛と京雛では、顔立ちに違いがあり、雛人形を飾る際の並べ方も、男雛(お殿様)と女雛(お姫様)の座る位置が左右反対である。
顔立ちの特長として、関東雛は目が大きめで、口元がふっくらしており、優し気な表情をしているものが多い。
京雛は切れ長の目で、鼻筋が通っており、高貴で品のある表情をしているものが多く、鼻筋を中心に見ると見分けやすい。
男雛と女雛の座る位置は、関東雛では、向かって左に男雛、向かって右に女雛。
京雛では、向かって右に男雛、向かって左に女雛となっている。
日本では、古来から右よりも左の方が上位とされており、京雛は御所における玉座の位置に従い、左(向かって右)に男雛、右(向かって左)に女雛が座っている。
関東雛がその反対となっているのは、大正天皇が関係しているといわれる。
明治時代に多くの西洋文化が日本に入ったが、国際儀礼では日本とは反対で、右が上位、左が下位とされているため、大正天皇の即位の礼では、天皇陛下が洋装で皇后陛下の右に立たれた。
ここから、雛人形の座る位置も、右(向かって左)に男雛、左(向かって右)に女雛という形が、関東を中心に広がっていった。
全国的には関東雛が多いため、座り位置も向かって左に男雛という形が一般的だが、関西では京雛が多く、左右のどちらが正しいとは決まっていない。