巻き簾に海苔、その上に酢飯を広げ、ネタ(具材)を乗せて巻いた寿司を、関西では「巻き寿司」、関東では「海苔巻き」といい、基本的に両者は同じものである。
ただし、関東の海苔巻きは、太さによって「細巻き」「中巻き」「太巻き」と区別されるが、関西で「巻き寿司」といえば「太巻き」を指すことが多い。
また、「巻き寿司」の解釈の仕方によっては、玉子焼きで巻いた「玉子巻き」なども含まれ、関東の「海苔巻き」とも、関西の「巻き寿司」とも異なり、「巻物」の寿司を指すことになる。
前述のとおり、「太巻き」は海苔巻きを太さで分類した時の呼称である。
かんぴょう巻きや鉄火巻き、かっぱ巻きなどの細巻きは、巻かれるネタは基本的に一種類だが、太巻きには、かんぴょう・玉子焼き・椎茸・キュウリなど複数の具材が巻かれる。
太さによって使用する海苔の大きさも異なり、細巻きは板海苔を半分に切ったもの、中巻きは板海苔を半分から一枚、太巻きは一枚から複数枚使用する。
恵方巻きは、節分の日に、その年の恵方を向いて食べると縁起が良いとされる太巻きのこと。
元々は、大阪を中心とした関西のみの風習で、「恵方寿司」や「吉方巻き」「節分の巻き寿司」「幸運巻き寿司」、一本丸ごと食べることから「丸かぶり寿司」や「丸かじり寿司」など様々な呼称があったが、セブンイレブンが「恵方巻」という商品名で全国販売したため、節分の日に食べる太巻きは「恵方巻き(恵方巻)」と呼ばれるようになった。
恵方巻きには複数の具材が入るが、七福神にちなんで、7種類の具材が入れられていることが多い。
ただし、店によっては中巻きや細巻きを「恵方巻き」として販売するところもあり、具材が一種類の恵方巻きもある。
恵方巻きと太巻き(巻き寿司・海苔巻き)との決定的な違いは、節分の日に食べるものであることと、切らずに丸ごと食べるという点である。
手巻き寿司も、「巻き寿司(海苔巻き)」の一種である。
しかし、一般にいう「巻き寿司」は巻き簾で巻いて作るが、手巻き寿司は巻き簾などの道具を使わず、手で巻いて作る寿司である。
手巻き寿司は、寿司屋よりも家庭で作って食べられることが多い。