「油」「脂」「膏」の違い

油は「氵(さんずい)」が付いているように液体で、植物性・鉱物性のあぶらを表す。
脂は「月(にくづき)」が付いているように動物性で、固体のあぶらに使われる。
これらの使い分けは、一般的なものから区別された使い分けで、例外もある。

固体・液体は常温時に判断されるものだが、動物性でも魚などの脂は液体に近い状態になり、植物性でもココナッツやカカオなどの油は常温時に固体となる。
植物性・鉱物性と動物性の違いや、固体と液体の違いを意識していない時は、「油」と書かれることが多く、顔などが脂っぽいことを表す際は、正しくは「脂ギッシュ」だが「油ギッシュ」とも書かれる。

膏も「月」が付いており、動物性を表すが、脂と全く同じ使い方ではない。
脂は皮膚や肉から出るあぶらなど、動物性のあぶらを広く表すが、膏は皮膚から出るあぶらには使わず、肉のあぶらのみに使う。
その他、軟膏を表す際に使われる程度で、表現の範囲は狭い。

ちなみに、ひびやあかぎれに効くという「ガマのあぶら」は、ガマガエルの皮膚から出た脂汗とされるが「ガマの脂」と書かず、「ガマの油」と書く。
肉のあぶらではないが、軟膏なので「ガマの膏」と書かれることはある。

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