「同居」「同棲」「内縁」の違い

同居とは、同じ家に住むこと。
親族や恋人関係に限らず使う言葉だが、友達同士や他人同士が同じ家に住む場合は、「ルームシェア」と言って使い分けることもある。

同棲は同居と同じ意味で、同じ家に住むことを広く意味した言葉だが、現在では、主に婚姻関係にない男女が一緒に暮らすことをいう。

内縁は、事実上は夫婦関係にありながら、婚姻届を出していない男女の関係のこと。
一緒に暮らすことではなく、二人の関係を表す言葉である。

内縁関係と認められれば、法律上は、同居、協力、扶助義務、婚姻費用分担義務、日常家事債務の連帯責任、財産分与、貞操義務など、婚姻関係にある夫婦とほぼ同じ権利・義務がある。
ただし、氏の変更や、子の嫡出性の推定、配偶者としての相続権などは、内縁関係だけでは認められない。
また、婚姻関係にあれば、未成年であっても成年者として扱われる「成年擬制」があるが、内縁関係の場合は成年擬制の効果は生じない。

3年以上同棲(同居)をしていたら内縁関係が成立するといわれるが、3年はひとつの目安に過ぎない。
内縁関係が成立する要件は、当事者に婚姻の意思が認められることと、共同生活をしていることの2点。
3年以上同棲を続けていても、結婚する気がなければ内縁関係とは認められず、同棲期間が3年未満でも、当事者同士に婚姻の意志があり、第三者からも夫婦同然として扱われていれば、内縁関係と認められる。

単なる同棲や同居ではなく、内縁関係にあることを証明する方法としては、親族・友人・同僚などの証言があるが、一方が口裏を合わせていれば証明が難しい。
証明しやすい証拠としては、マンションの賃貸借契約書や住民票などの記載で、一緒に生活をしていることを残す方法である。
マンションの契約書であれば、「配偶者」や「内縁の妻」と記載すること。
住民票であれば、同一世帯として「同居人」と表記してもよいが、「妻(見届)」「夫(見届)」と表記すれば、更に認められやすくなる。
その他、結婚式を挙げるなど、誰の目から見ても夫婦同然といえる事実があれば、内縁関係にあるといえる。

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