のりとの「のり」は、「宣言する」や「言う」を意味する動詞「のる(宣る・告る)」の名詞形。
のりとの「と」は、「所」の意味、「もの」の意味、「呪言」の意味とする説がある。
「ことど」の「ど」など神に捧げる呪術的な意味をもつ言葉の多くに「と」が使われており、「呪言」の意味とする説が妥当であろう。
単純に「宣言(のりごと)」から「のりと」になったとも考えられるが、上代には「ふとのりと」「ふとのりとごと」と言っていたことから、「のりごと」から転じたとすると「ふとのりとごと」は「ふとのりごとごと」と重言になり難しい。
祝詞は広義には「祓え(はらえ)」に読む言葉や、「寿詞(よごと)」などを含めていうが、普通は現存する最古の祝詞である「延喜式」所収の二七編と、藤原頼長の日記「台記」所収の「中臣寿詞(なかとみのよごと)」の一編を指していう。