ひもは「ひきむすぶ(引き結ぶ)」や、「ゆひを(結緒)」の意味からとする説が妥当。
古くは、夫婦や恋人が別れる際、互いの紐を解いて結び合い、再び会う日までその紐を解かないと誓っていたことから、霊能の意味をもつ「ひめ(秘)」に「を(緒)」の「ひめを(秘緒)」が略されたとする説もある。
漢字の「紐」は、「糸」と「ねじる」「曲げる」を意味する「丑」からなる会意兼形声文字。
女性を働かせて貢がせる情夫を「ヒモ」、そのような情夫がいる女性を「ヒモ付き」というのは、たぐっていくと男性がいるところからである。
一見、独り身と思われる女性に恋人や夫がいることを「紐が付いている」と言い、元々は「貢がせる」といった意味は含まれていなかった。
飲み屋などで女性が前面に立って働いているため、付き合っている男性がいないと思っていたところ、実は恋人や夫がいることから「ヒモ付き」といい、更に女性に働かせ貢がせる情夫を「ヒモ」と呼ぶようになった。
糸や綱、縄などでなく「紐」なのは、古くから男女関係における象徴的なものであったことに通じる。
ヒモの語源説には、海女さんが海の中に潜り、息が続かなく限界になると腰に付けた紐を引いて船の上の男に合図し、男はその合図で紐をたぐり寄せる。
その間、男性は船の上で待っているだけなので、「ヒモ」というようになったとする説もある。
しかし、船の上にいる男性は船の操縦や釣りの仕事があり、ただ待っているだけではないので当てはまらない。
また、上記のとおり、最初から「ヒモ」に「貢がせる」の意味は無かったため、この説は間違いである。