「水入らず」は、異なるものが調和せず、親しい者だけが集まった状態を表す言葉で、「油に水」と対比されます。具体的には、親しい者同士が交わる様子を「油に水が入っていない」とたとえています。この表現では、油が「内輪の者」や「親しい者」を指し、水が「他人」を象徴しています。
「水入らず」の語源には、日本の酒の飲み方に由来する説もあります。この説によれば、他人が使った盃で酒を飲む際に、水で洗われずにそのまま口をつけることが親愛の情を示す行為であり、「水入らず」の言葉が生まれたとされています。しかし、「水入らず」は単に「親しい間柄」を示すだけでなく、「他人を交えないこと」を主たる意味としています。この表現は夫婦や親子などの関係にも適用され、上下関係には使われない言葉となっています。したがって、酒の飲み方に由来するとされる説は、雑学の領域で生まれたものである可能性が高いです。