はたちの「はた」は「20」を意味し、「ち」は助数詞。
「はた」に助数詞を加えた例として、「二十年(はたとせ)」「二十巻(はたまき)」「二十人(はたとり)」などがある。
助数詞の「ち」は、「ひとつ」「ふたつ」の「つ」と同じく「個」を意味する。
「ひとつ」「ふたつ」の「つ」が個数だけではなく、「一歳」や「二歳」など年齢を表す際にも用いられることと、はたちが「20」という個数を表していたものが、年齢に用いられるようになった点は共通している。
「はた」が「ふたつ」の「ふた(二)」の転で、「ち」が「十」の意味とする説もある。
「はた」が「ふた」から転じたとする点は考慮できるが、「二十年(はたとせ)」や「二十巻(はたまき)」などの例から、「二十」で「はた」と考えるのが妥当である。
また、両手両足の指を折って数えていくと20で終えるため、「果て(果つ)」を語源とする説もあるが俗説である。
この他、俗説には「旗乳(はたち)」といった説もある。
その説は、戦国時代、二十歳になった青年武将は、主君の紋所を染め抜いた旗を背中にくくりつけて戦場に出られた。
その旗には「旗乳(はたち)」と呼ばれる竿を通す輪が、年齢に合わせて20個ついており、「命を賭けた決断のできる年齢(成人)」という意味で「はたち」と言うようになったという説である。
しかし、「はたち」が年齢に限らず、「20」という個数を表した言葉であることが考慮されていない。
また、このような輪を「乳(ち)」と呼ぶのは、旗だけではなく、幕、羽織、草鞋に紐を通す輪にも用いられるため、強引過ぎる説としか言いようがない。